お医者さんと聴診器という組み合わせは、どうやら彼にとってはつぼにはまったらしい。
手術のために事前に麻酔科の先生が診察にくるのですが
いつも見たことのない麻酔科の先生がやってきて
おまけに聴診器を持ってきているから、
その子は絶叫して抵抗しました。
「やだやだ!」とベッドの中で大暴れ。
ああどうしましょ。麻酔科の先生は胸の音をちゃんときかないと
いけないわけですよ。麻酔をかけるときに必要な情報だから。
こりゃあ診察どころじゃないなあと思ったときに、
気晴らしにと思ってその子を抱っこして、窓辺につれていきました。
病院の前には高速道路と線路が走っています。
「電車くるかな〜」「でっかいトラックくるかな〜」
「・・・・」
きましたよ。
泣き止んで、その子は電車や車をずっと指で追いかけてました。
その隙に麻酔科の先生はその子の背中にそっと聴診器をあててきいていました。
電車さまさま。車さまさま。
もちろん麻酔も手術も無事成功しました。 |